biwacommon編集部のジョーだ。今回はちょっとした思いつきをカタチにしてみたら、とても好評だったという話をしよう。
とある輸送会社様の展示会出展をサポートする案件でのことだ。ブース全体のデザインを始め、大型タペストリー、ポスター、会社案内、パンフレット、手配り用チラシなど制作物一式を任せていただけることになっていた。
その際、ふと思った。「平面的なものだけではなく立体的なツールがあれば、自慢の“特殊輸送トラック”の強みが直感的に伝えられるのではないか」。そこで、特殊輸送トラックをペーパークラフトで作ってみることにした。
展開図をつくるのが最も大変な作業だった。出力して組み立てて、修正してまた組み立てて、何度も検証する。時間はかかるが最初の設計が肝心だ。気を抜いてはいけない!
実際のトラックとおおよその比率を合わせている。側面には扉(ウイング式)と積載事例の一つであるバイクのイラストをそれぞれ配置した。トラックのデザインは凝りだすときりがないので、細かすぎず大雑把すぎず全体のイメージができるレベルでデフォルメしていく。
社内にはパッケージデザインのモック制作用に厚紙がたくさんある。今回のペーパークラフトでは、強度は欲しいが、細かい折部分もあるため210kgを選んだ(紙厚によっては展開図を微調整することがある)。茶色い包み紙がビリビリなのは見なかったことにして欲しい。ワイルドに開封する人もいるのだ!
厚紙をA3ワイドサイズにカットし(失敗するのを想定して多めに用意しておこう)、デザインを社内プリンタで手差し出力する。プリンタが詰まったりインクがきれいに乗らないこともあるので、丁寧にひとつひとつ確認しながら進めよう。
社内にはプロッター(データを読み込んで紙をカットする機械)がある。PCと繋いで展開図のデータを読み込めば滑らかにカットしてくれる。折部分もきれいに出るぞ!
プロッターはカット位置がずれやすい。上手くカットできるまで細かな調整を繰り返す。また、使う紙の種類や厚みによって、カットするスピードと圧力も調整しなければならない。手間はかかるが、手でカットするよりも格段にきれいに仕上がる。経験を重ねると、調整にも割と正確な見当がつけられるようになる。
面積が小さい箇所は210kgの紙でも折りにくい。しかし、美しさは折部分に宿る。根気強く丁寧に折っていく。
車体頭部の組み立て部分が複雑だ。しかし、美しさは折部分に宿る。根気強く丁寧に折っていく。
ペーパークラフトとはいえ、立体物だと目に留まりやすく、実際に手にとって説明できるので、展示会でもきっと役に立つだろう。紙なので制作コストも抑えられる! 中に何かを入れればノベルティのパッケージにもなりそうだ。
改めて言っておくが、このペーパークラフトは依頼を受けてつくったものではない。しかし、より良くするためのアイデアは惜しみなく提案していきたい!
※ここまであっさりと紹介してきたが、実際は時間と手間がとてもかかるので要注意だ。
後日談
「とても好評でした!」とお言葉をいただいた。やった!