「本物の羊の毛で作るクリスマスリース」ワークショップを開催

「本物の羊の毛で作るクリスマスリース」ワークショップを開催

羊の毛で何ができるだろう???

こんにちは。biwacommon編集部のひーちゃんです。私にはずっと、気がかりなことがありました。

それは、「滋賀農業公園 ブルーメの丘」さんの羊の毛のこと。通常は春の毛刈りの際に破棄されるはずの毛を、「SDGsだ!」「お宝だ!」と譲っていただき、それなのにうまく活用することができず何ヶ月も倉庫に眠らせていたのです。

なぜ「お宝」なのか。その意味をもう少しほじくっておくと、いま私たちの身の回りにあるウール製品は、ほぼほぼが輸入羊毛なんです。市場に流通している国産羊毛の割合はなんと0.05%以下なので、日本で育った羊の毛を手にする機会って実はほとんどありません。昔はもう少し国内で飼われている羊の数が多くて1957年には約94.4万頭いたらしいですが、2017年には1.7万頭にまで激ってしまいました。その激減の理由にはいろいろあるけれど、国内で羊の毛をキレイにする「洗毛」の専用工場が全て閉鎖されたことが大きく関係しているようです。(出典元:公益社団法人畜産技術協会)


そんな、とても希少な国産羊毛。
一生に一度も手にすることがないかもしれない国産羊毛。

いや、手にしたから何ってことはないかもしれませんが、せっかく滋賀県で大切に育てられた羊の毛を、ただ破棄するのではなく活用したい!たくさんの人に触れてみてほしい!そんな思いがありました。

自分たちで「洗毛」にチャレンジしてみた

当初、羊毛は毛糸かフェルトに加工するつもりでした。でも先に洗浄だけ行った際、毛に絡んだ小さなゴミや脂肪分を取り除くのが想像の何十倍も困難で、何かよくわからない混ざりものに「#☆%:=$!?」となったり、すっかり意気消沈気味に。

写真は、刈り取られた原毛を羊毛専用の洗剤で洗って干したあと、社内スタッフ数人がかりで何度も繰り返しゴミとりしたものです。最終的には小さなお子さんが触っても大丈夫なぐらいフワフワの気持ちいい状態になりましたが、それでも「販売できるキレイな製品」に加工するのは難しいと断念しました。なるほど「洗毛」できる工場がなくなると、市場から国産羊毛製品が消えてしまう意味ってこういうことなんだな…。

さて、どうしよう?

浮かんだアイデアを企画に、カタチに。

そんなある日。久しぶりに倉庫から持ち出した羊毛をぼんやり眺めていたところ、ハッ!と気づきがありました。素朴な羊の毛の風合いが、よくリースの花材に使われれている「綿花(コットンフラワー)」に似ているように思えたのです。

試しに羊毛を適量ちぎって丸め、紐を十字にまわしてギュッと結んでみました。綿花に見えるかはさておき、なんとも可愛い様子です。ん?これって綿花に見える必要はなく、普通に「羊毛を使ったリース」でいいやん。むしろ、それがいいやん。

折しも近隣のショッピング施設「イオンモール草津」で開催されるクリスマスイベントの企画募集があったため、羊毛アピールの企画書と実際のリースサンプルを用意して「本物の羊の毛で作るクリスマスリース」と題したワークショップを提案することに。結果、とんとん拍子に開催できる運びとなりました。

びっくり!素直に嬉しい!!

羊の毛の魅力、伝わりましたか?

「本物の羊の毛で作るクリスマスリース」ワークショップ当日の様子です。この日は1回12名様の定員で4回開催。おかげさまで、全回ほぼ満席状態で大盛況となりました。

羊の毛と合わせる花材も、草津市の「GREENLOFT(グリーンロフト)」さんにプロデュースいただき、ユーカリやオリーブなどのドライリーフ、ドングリや松ぼっくりなどの木の実、小さくて可愛い実モノなど、天然素材のナチュラルなものが並びました。

ロウを溶かして接着するグルーガンを使った約1時間の作業。「手作りが久しぶりなので楽しい」「孫のお土産にしたい」「素朴でナチュラルなのがいい」と、みなさん笑顔で素敵なリース作りを楽しまれていました。

今回、羊毛をたくさん触る作業手順にしていたこともあり、「珍しい素材を使えて嬉しい」「こんなに柔らかいんだ!」「気持ちよくてずっと触っていられる」といった、羊の毛に関するお声をたくさんいただくことができたのも嬉しかったです。

後日、社内で再びワークショップ

弊社スタッフからも「作ってみたい!」の声が多かった今回の羊毛リース作り企画。ならばと同じ材料を用意して、後日社内ワークショップを開催することになりました。

さすがモノづくりが好きなデザイン会社スタッフ、みんな手際が良く、次々とセンスのいいリースが完成♪同じ材料を使っていても、十人十色の作品が出来上がるのが手作りの醍醐味です。数人でワイワイ作業をしてみて、会社の福利厚生の一環でこういったワークショップが用意されていても面白いだろうな〜と感じました。


今回は「捨てるのもったいない」から始まった羊毛活用企画。洗毛に手間暇かけたコストを考えるとオールOKとは言い難い部分もありましたが、たくさんの方と羊毛を通したあったかい時間が共有でき、「地域資源のリサイクル」という意味でSDGsも実践できたのではないかと思っています。

もし同じように、「活用したい地元資源がある」「一緒に企画を考えて欲しい」などのご要望がありましたら、ぜひbiwacommon編集部(運営元:ウィードプランニング)までご相談ください。できること・できないことはありますが、可能な限りアイデアを捻らせていただきます。一緒に滋賀を盛り上げていきましょう♪

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