
Biwacommon編集部のひーちゃんです。
ごはん派? or パン派?あえてどっちかで答えるなら、最近はもっぱらごはん派です。歳のせいか、パンは食べた後に胸焼けすることが多くなってきて…泣。
ですが【KAMEYAPAN(カメヤパン)】さんのパンは話が別!見た目、美味しさ、ボリューム、食に求めるいろんな期待がサンドイッチ1個にギュッと詰まっていて、食べた後は必ず『満たされた~』という気持ちになります。それでいて全くしんどくならない、とにかく「美味しいパン」なんです。
あぁ、また食べたくなってきた。しかし、これがそう簡単には手に入れられないのです…。
2019年にパンの販売をスタートした【KAMEYAPAN】。栗東での週一出店&県内フードイベントへの参加で順調にファンを増やし、2023年3月には湖西道路「仰木雄琴IC」からすぐの場所に実店舗がオープン。
4月中旬のよく晴れた日、約1か月ぶりにお店を開けるということで店主の北川恵さんにお話を伺ってきました。
―――――――――――――――――――
開店時間の午前10時、ショーケースに積まれたその日のサンドイッチ6種類をはじめ、店内にはパックサンドやキッシュ、揚げたてのドーナツが所狭しと並んでいました。久しぶりの営業なので出足が遅いかも…という店主の心配をよそに、入れ替わり立ち替わりお客さんがやってきます。
こちら実店舗での販売は、週1回木曜の4時間(イベント繁忙期は不定休あり)とたまに日曜日。また週末のイベントはいつも大行列で、人気メニューはすぐに売り切れてしまいます。地元の人じゃないと、とにかく手に入れるのが難しい。
どうやら事前にインスタから予約をしている人も多い様子で、皆たくさんのパンを抱えて帰っていきます。買える時にいっぱい買っておこうというその気持ち、分かります〜!
こんなに人気なのに、なんでもっと販売日を増やさないんだろう? 話を伺うと、それにはちゃんと理由がありました。
私が初めて【KAMEYAPAN】に出合ったのは、数年前のイベント会場。なんだか人気そうだと列に並んだその先には、はち切れんばかりに具材が挟まれ、それでいて色のバランスが美しく、とにかく食欲をそそる見た目のサンドイッチが並んでいました。
その日は確か惣菜系サンド数種を持ち帰って食べたのですが、驚いたのがニンジンラペなどの付け合わせ的具材まで衝撃的な美味しさだったこと。サンドイッチ1個食べた後の満足感と幸福感が、ちょっといいフレンチのランチを食べた時のようでした。
北川さん:パンの仕事をしたいとは、ずっと長いこと考えていました。でもどこかで修行したわけじゃなく自宅で趣味で焼いていただけだから普通のパン屋さんをやる自信はなくて…。
それで、料理も好きで得意だったので掛け合わせてみよう!と思いついたんです。忙しくても手軽につまめて、栄養とおいしさが詰まった「完全食」に近いものを目指したいな、と。そこから、最終的にサンドイッチに辿り着きました。
北川さんのサンドイッチは、基本のパンが美味しいのはもちろん、具材ひとつ一つまでしっかり丁寧に手間暇かけて作られたことが分かる本格的な味わい。本当にパンもお料理も独学なの!? と驚きました。
北川さん:サンドイッチって結構手間がかかるんですが、基本的に一人で作っています。主人にも助けてもらって今は数をこなせるようになりましたが、いっぱいいっぱいになることも多くて。
大きなイベントの時なんかは子ども達にも包装などたくさん助けてもらっています。すごく頼りにしていて。他にスタッフを雇っているわけじゃないので、家族にめちゃくちゃ迷惑をかけながらやっています。
てっきりスタッフさん数人で作業分担をしていると思っていましたが、お店で販売するパンは北川さん一人で製造しているのだそう。このクオリティとバリエーションを考えると、なるほど月に数日のみの販売になることも納得です。
【KAMEYAPAN】のパンは、国産の小麦とバター、地元の養鶏場の卵、きび砂糖などの厳選素材で作られています。マーガリン、ショートニング、白砂糖は不使用。
北川さん:KAMEYAPANの基本として、最低限そこは守っています。あとは、できる限り滋賀の素材を使いたいなと思っていて。今日のメニューだと、伊香立(いかだち)産の大粒いちごや、近隣の「やまのしずく農園」の野菜。旬に合わせて守山「よってこファーム」のいちじくや仰木のぶどう、伊香立のトマトなども仕入れています。
パンのメニューは季節の具材を取り入れたサンドイッチ6種類がメイン。惣菜系サンドと甘い系フルーツサンドが半々で、内容はその日の仕入れで変わります。あらかじめインスタグラムで販売日とメニューのお知らせがあるので、店舗で確実に買いたい場合は予約がおすすめです(店舗以外のイベント時は予約不可)。
これまでに私がハマったのは画像のプルコギサンド。パンとプルコギって合うの?と半信半疑で食べてみたら想像を超える美味しさでした。これまた自家製プルコギの甘辛テイストが絶妙で、何故かパンにも合うという不思議…。見つけたらぜひ味わってみてください。
<取材日のサンドイッチのラインナップ>
焼豚と煮卵とお野菜のサンド 550円
エビカツタルタルサンド 530円
ほうれん草とベーコンとスクランブルエッグのサンド 530円
いちごサンド 550円
レアチーズサンド 530円
板チョコバナナサンド 530円
いろいろ買って帰りましたが、先に実食した2種類の感想を簡単にレポートします。
「焼豚と煮卵とお野菜のサンド」
なんといっても自家製焼豚がラーメン屋さんもびっくりのレベチな美味しさ。柔らかくジューシーで、しっかりと味が染み込んでいます。さらにカットして驚いたのが、その肉厚さ。見えない部分までドドんと分厚い焼豚が挟み込まれていて、1個食べれば十分お腹いっぱいになるボリュームサンドでした。
「レアチーズサンド」
チーズクリームがパティスリー級!そして輪切りのレモン煮がいい仕事をしています。見た目の可愛らしさアップだけでなく、柑橘の爽やかな風味が広がって、ボリュームの割に最後まであっさりと食べられます。甘い系サンドには黒糖入りのスイートなパンが使われていて、塩味も控えめだからデザートとして食べるのも◎。
北川さんのお話の中で何度も出てきて印象的だったのが「徐々に徐々に」という言葉。最初は10人ほどだったインスタのフォロワーが徐々に増えていき、ほとんど売れずに持ち帰ったこともあるパンが徐々に売れ始め、どこに出店すればいいか見当がつかなかったイベントも徐々に範囲を拡大し、家族の協力を得ながら製造も徐々にたくさんの数をこなせるようになり…。
最初は何でも最低限からのスタート。でも勇気を持って最初の一歩を踏み出した人にだけ見える景色があるのだろうと、ちょっと羨ましく思いながら聞いていました。
北川さん:ここまでくるまでにいろんな葛藤がありました。怖かったですし、勇気がいるというか、上手くいかなかったらどうしよう…と考えて。でも、やってみたらなんとかなりました。
で、ひとつできたら、また違う欲が出てくる。このまま現状維持というわけではなく、どんどんパワーアップしていきたいという思いはあります。もっとお店を大きくしたいし、イートインもやってみたい。人生一度きりなので、楽しみたいと思います。
【KAMEYAPAN】
営業日やメニューのラインナップはインスタでチェック !
Instagram @kameyapan_