ローカルチェーンと生きる人。滋賀在住・飲食チェーン店トラベラー 【BUBBLE-B】さんに聞く

ローカルチェーンと生きる人。滋賀在住・飲食チェーン店トラベラー 【BUBBLE-B】さんに聞く

2026.2.16広域

日常に寄り添ってくれるチェーン店

biwacommon編集部のモリモトです!

今日なんだか外食したいな、自炊はちょっとめんどくさいな——そんな日、ありますよね。

ふらっと入れて、安定したおいしさとサービスで迎えてくれる。
私たちの日常にそっと寄り添ってくれる存在、それが「飲食チェーン店」。

なかでも「ローカルチェーン」に目を向けると、その土地ならではの個性や物語が見えてきます。

今回は、飲食チェーン店を追い続ける“飲食チェーン店トラベラー”が、滋賀県にいるという噂を聞きつけ、楽しいチェーン店の巡り方や、ローカルチェーンの魅力についてお話を伺ってきました。

“飲食チェーン店トラベラー”【BUBBLE-B】さん

“飲食チェーン店トラベラー”としての活動をされているのが、滋賀県在住の【BUBBLE-B(バブルビー)】さん。トラックメイカー、DJ、音楽プロデューサー、ライターとしても活動されています。

BUBBLE-Bさん(以下:バボさん)がチェーン店巡りを始めたきっかけは、天下一品の本店を訪れた際に、「明らかに他の店舗と味が違う!」と感じたことでした。
そこから全国の飲食チェーン店1号店を巡り、その体験を綴るブログ『本店の旅』を更新されています。

“飲食チェーン店トラベラー”とは?バボさんの飲食チェーン『愛』

――さっそくですが、“飲食チェーン店トラベラー”の活動について詳しくお伺いしていきます!チェーン店巡りはどのくらいの頻度でされているんですか?

よろしくお願いします。
取材の場合や、遠方のチェーン巡りになると、1日に2〜3件ほどスケジュールに詰め込むこともありますね。取材とは関係なく、謎の使命感に駆られて「チェーン店パトロール」をすることも多く、月単位で見ると、20日はチェーン店、残りの10日は個人経営のお店に行っています。自炊は基本的にしないですね。

――月20日!?ほぼチェーン店なんですね。チェーン店の中でも、好きなお店や食べたいものを選んで行かれるんですか?

チェーン店のSNSアカウントは基本的にフォローしていて、新商品の告知が出ると、「食べたい」という感情よりも先に、「食べなければ!」という謎の使命感が湧いてくるんです。
そうやって、パトロール感覚でお店を決めることが7割くらいですね。

もちろん、その日の気分で「今日はここに行きたいな」と思って出かけることもあります。それが3割くらいかな〜。どこにしようかと探しているうちに、「ここは違うな、ここも違うな」と迷い続けて、気がついたら3時間くらい悩んでいることもあります(笑)。

チェーン店巡りは、すっかりライフワークの一部になっていて、それをベースに生活が組み立てられている感じですね。

バボさん的飲食チェーンの楽しみ方

――せっかくの機会ですので、バボさんが初めてのチェーンに訪れたときのルーティーンを見せていただいてもいいでしょうか?

そうですね、まず席に着いたら、ひとまずメニュー表を読み物として熟読しますね。冊子タイプのメニューだと、だいたい1ページ目にそのお店が何を大事にしているのか、どんな思いでやっているのかが“ポエム”的に書かれていることが多いんです。

まずはそれを読んで感じ取って……。
次のページをめくって、一番最初に出てくる商品はそのお店の“推し”だと思うので、それを頼むことが多いですね。最初から最後まで読み切ると、お店の方針や良さ、個性がじわじわ見えてくるんです。

そこから注文して、実食。
記録のために撮影もしますが、ほかのお客さんやお店の邪魔にならないよう気をつけています。


――なるほど…! タッチパネルの場合はどうするんですか?

その場合も、ぜーーーーんぶの階層、すべてのタブをチェックします!
紙には紙の質感の良さがありますけど、タッチパネルも「こんなタブあったんや!」と宝探しみたいな感覚で読み進めるのが楽しいですね。

メニューを開いた瞬間から、もうお店とのコミュニケーションは始まっていると思っていて。ユーモアのあるコピーが散りばめられていると、「細部までこだわっているな」と感じて、印象に残りますね。

美味しいだけじゃない、チェーン店巡りの苦悩。

――チェーン店巡りで苦労するところってありますか?

あります、あります……。まずはスケジュールですね。
特にローカルチェーンの場合、飛行機を取ってバスを乗り継ぎ、11:00〜14:00の間に2軒をギチギチに詰め込んで巡る、なんてこともあるんです。
そういう時は、ラストオーダーの時間に怯えながら回っていますね(笑)。

――確かに……。時間がタイトだと、お腹のキャパシティもなかなか持たないんじゃないですか?(笑)

そうなんですよ!基本的に取材は一人で行くので、「回転寿司→そば」みたいな組み合わせなら何とか回れるんですけど、「ラーメン→ラーメン」となると、健康を損なう可能性すら出てきますからね。

取材やチェーン店以外の食事では、カルシウムやビタミンを意識して摂るようにして、胃を休める日も作っています。
最近、人間ドックに行ったんですが、結果がちょっと怖いですね(笑)。

――もはやアスリートですね!

個性豊かなローカルチェーン

――地域ごとに、チェーンの特徴って出るものなんでしょうか?

出ますね!特に回転寿司は、使っている魚の質や種類に違いが出やすいです。北海道のローカル回転寿司チェーンに行った時は、ネタの新鮮さに本当に驚きましたね。
一方で、内陸エリアの回転寿司にはエンターテインメント性のあるお店もあって、どちらにもそれぞれの良さがあると感じています。

ローカルチェーンは、調べるだけではわからない個性や特徴に出会えるのが面白いところです。だからこそ、とにかく自分の足で確かめに行きます。

――最近は海外のローカルチェーンにも足を運ばれていますが、日本のローカルチェーンは行き尽くした感覚なんでしょうか?

いやいや、全くそんなことはないですね。
国内でもまだまだ行けていないローカルチェーン店は、たくさんあります。

これまで「そば」「うどん」「回転寿司」といったジャンルに絞って、ローカルチェーンを巡る同人誌を発行してきました。次は「カレー」を巡りたいと思っていますし!これがまた、なかなか沼でして……。ぜひ楽しみにしてほしいですね。

ただ、アラフォーの体には少しきつい部分もあって。今のうちにたくさん巡っておかないとな、という気持ちで海外のローカルチェーン店にも足を運んでいます。
これもまた、使命感に駆られているところですね(笑)。

「滋賀」ローカルチェーンの特徴は?

――日本中、最近では世界のローカルチェーンまで範囲を広げて見てこられていますが、全国を回るなかで感じる滋賀ならではの特徴はありますか?

そうですね。ご当地の素材をあえて使ったブランディングをしているお店は多いですね。例えば、代表的な滋賀のローカルチェーンである「ちゃんぽん亭」さんであれば、彦根の醤油屋さんの商品を使ったカエシ(調味だれ)を取り入れたり、滋賀県産の小麦を使ったりといった工夫をされています。

原価が少し上がってしまったとしても、「滋賀県産のものを使っている」という点はローカルチェーンならではの良さで、全国チェーンにはない付加価値だと思いますね。

――もしバボさんが滋賀でチェーン店を開くとするなら、どんなお店がいいと思いますか?

おー、難しい質問ですね(笑)。考えたことはなかったですが……。
びわ湖の絶景を眺められるお店とかですかね。びわ湖の景色を眺めながらコーヒーを飲めるお店、もっと増えたらいいなと思いません?
例えば、コンビニの跡地などで、びわ湖沿いに開いている敷地ってあるじゃないですか。ああいう場所をカフェにしてしまっても面白いのにな〜と思っています。

ーーびわ湖沿いに、バボさんプロデュースのお店がずらっと並ぶ日が待ち遠しいですね。

日常からアンテナを張る、クリエイティブへの意欲

――話は変わるんですが、DJとしても活動されているバボさんが制作されたアルバムの「麻婆トララックス」聴きました!個人的には、コンビニのレジから流れる音声を切り取って使った楽曲「CASHLESS DANCER」がすごく好きで。日常生活の中でも、「あ、これ制作のネタになりそうだな」と常にアンテナを張って生活されているのかなと気になりました。

そうですね。学生の頃から、サンプリング(既存の曲や音源の一部を流用し、再構築して新たな楽曲を制作する音楽制作法)を使った楽曲は作っていたんですが、最近は権利関係がややこしい部分もあって……。

それで、日常の音を自分で録音して、サンプリングするようになったんです。

例えば、コンビニの音声ガイドの音とか、深夜に聞こえてくる隣人の騒音とか(笑)。素材としていろいろ集めていると、これがなかなか面白くて。そうしていると日常のさまざまな場面が少しずつ面白く見えてくるんですよね。

――なるほど。好奇心が旺盛というか……すごく柔軟な発想ですよね!
そんなふうに「好き」を貫きながら、柔軟でい続けるために、普段から心がけていることってあるんですか?


そうですね。「フットワークの軽さ」と、「批判的にならないこと」ですかね。

同人誌の即売会などには積極的に参加していますし、イベントで同じ界隈の人たちと知り合って、友達になって、情報交換することも多いです。そうしていると、20歳くらい年下のクリエイターから学ぶことも本当にたくさんあって。
年齢に関係なく、若いクリエイターから学び続ける姿勢は大事だなと感じています。

2025年12月より発売の新刊『ニッポン ローカルチェーン・グルメ完全ガイド』

――現在発売されている新刊『ニッポン ローカルチェーン・グルメ完全ガイド』ですが、掲載されているお店は、どんな基準で選ばれたんでしょうか?

そうですね。今回選んだお店は、いわゆる「王道」どころだけではなくて、観光雑誌にはあまり載っていないようなお店も意識的に取り上げました。

例えば、あえて海のない県の回転寿司店を紹介したりとか。もちろん、本当においしいと思ったお店の中からではあるんですが、この本ならではの個性が出るような店選びを心がけましたね。

――60店舗以上ローカルチェーンの紹介に加えて、バボさんならではの切り口のコラムもあって、かなりボリュームのある一冊ですよね。そのなかでも、特にお気に入りのページはどこですか?

うーん、なかなか悩ましいですが……。
「クレイトンハウス」という宮崎県のチキン南蛮のお店を載せられたのは、個人的にうれしかったです。実際に足を運んでみて、品数の多さや、カラフルなタルタルソースは心惹かれるものがありました。
他のグルメ本ではあまり見かけないチョイスができたし、本当においしくて応援したいと思ったお店なので、紹介できてうれしいですね!

――どんな人に手に取ってほしいですか?

ローカルチェーン好きの方はもちろんですが、旅行好きの方にもおすすめです。
次の旅先を決めるきっかけになるような提案ができたらうれしいですね。A5サイズで小ぶりなので、持ち運びしやすいのもポイントです。

「好き」と生きる。「ローカルチェーン」と生きる。

今回は都合で紹介しきれなかったお店もたくさんありましたが、「どのチェーンにも必ず個性があって、いいところがある」と語るバボさん。

「このチェーン店のどこが良かったですか?」
「印象に残っているお店は?」

そんな問いを投げかけると、お店の歴史からメニューの細部まで、とめどなく楽しそうに語ってくれる姿が印象的でした。まさに“飲食チェーン店のプロフェッショナル”。

話を聞いているうちに、紹介してもらったお店すべてに行きたくなってしまう——そんな不思議な魅力を持つ方でした。

そんなバボさんの新刊
『ニッポン ローカルチェーン・グルメ完全ガイド』は現在発売中!
次の旅先を決めるヒントに。自分の地元のローカルチェーンが載っているか探す楽しみに。
ページをめくるたび、きっと“チェーン店を巡る旅”に出たくなるはずです。

BUBBLE-Bさん
本店の旅:https://1goten.jp/

『ニッポン ローカルチェーン・グルメ完全ガイド』
英和出版社:https://www.eiwa-inc.com/book/b10153075.html