珍奇植物って?
biwacommon編集部のモリモトです!
皆さん「珍奇(チンキ)植物」ってご存知ですか?
奇妙な形やユニークな生態を持つ植物の総称のことで、“ビザールプランツ”とも呼ばれています。サボテンや多肉植物など、馴染みがあるのではないかなと思います。
編集部内のメンバーに「珍奇植物がすごいんだ」と熱弁されたものの、「アガベ?カイコン?」と聞き馴染みのない単語を消化しきれず“?”で頭がいっぱいになりました。
そこで紹介されたのが【bio plants】(ビオプランツ)。珍奇植物の専門店です。
「店主さんも親切やし、初心者目線で色々聞いてみたら!」と教えてもらいましたが、あまりに未開拓な界隈に「取材するなら詳しい人の方が向いてるんちゃうん…」と思いながらも早速コンタクトを取ってみました。
滋賀大津の珍奇植物の専門店【bio plants】
珍奇植物の専門店【bio plants】があるのは、滋賀県大津市萱野浦(かやのうら)。お店の前にはびわ湖が広がっています。
店内には映画の世界でしか見たことのないような、珍しい形をした植物がずらり。時期にもよりますが、40から50種類の品種を取り揃えているそうです。
店主 宮家祥次さん
出迎えてくださったのが店主の宮家祥次(みやけ よしつぐ)さん。
「写真を撮らせていただいていいですか?」と聞くと「え~昨日お風呂入ってないからちょっとな~」といきなりジョークをぶち込んでくれました。
これは噂通り親切…というかフレンドリー…というか陽気なおじさま⭐️
専門店ということで少し構えていましたが、初心者でも楽しく接してくださる雰囲気に引き込まれました。
珍奇植物の沼にハマると抜け出せない?!
宮家さんが植物沼にハマったきっかけは、雑誌で見た、初めて見るフォルムの植物に「何これ?」と思ったこと。
その植物の正体を明かすために図書館に駆け込んでは、調べ…少しずつ実態に近づいていったそう。(後々パキポディウム・グラキリスと判明したのだとか。)
そこからは、まるで何かに取り憑かれたかのように珍奇植物の沼に。
「服に5万」は理解できなくても、「植物に5万」なら買ってしまうようになり、
気づいたら洗濯物が干せないほど、家に植物が溢れかえっていたそう。
お店を始めたきっかけ
ネットも今ほど普及していない時代。当時は、実物を見て買うことがなかなかできず、専門店はあっても関東がほとんど。
植物の知識をつけるにも、実際に試して、失敗しての繰り返しだったそうです。
「専門店のおっちゃんって、会いに行ったら優しいのに、電話で質問するとめっちゃ冷たいんですよ。」そんな独特な職人の世界。
そのうち“気軽に植物について話せる場所が欲しい!”という気持ちが高じて、お店を持つきっかけのひとつになりました。
もうひとつは、奥様が営んでおられる子ども服屋さんの一角に、インテリアとして植物を置いていたこと。家族で来るお客さんの場合、だいたいお父さんが興味を持ってくれることが多かったそう。奥様に促される形で、たまたま空いていた隣のテナントでお店を始めることになりました。
商品の基準は?
お店にある植物は2パターン。マダガスカルやアフリカなどで長年育ってきた現地のものと、そこから種をとって宮家さんが育てたもの。
「種から育てるとやっぱり可愛くて…売りたくないなって思っちゃいますね」と笑いながら教えてくれました。
お店には、植物の他に様々な作家さんの鉢も販売されています。
植物はもちろん、鉢などの雑貨もお店にあるものは“売れるもの”よりも宮家さんの“好きなもの”が基準。時にはスタッフの方に「流行りじゃないものはまた、売れ残りますよ」と辛辣な言葉を浴びせられることもあるそう…笑
「でもやっぱり自分が心からいいと思えるものを売りたいですね、その方がテンション上がるし」と話してくださいました。
葛藤がある仕事
「実は、この仕事って悪なんですよ。
現地に生えている植物を引っこ抜いて、持ってきて、売ってるわけやから…。ちょっと後ろめたい気持ちもあるんです。」
聞くと、利益のために現地の植物を大量に抜いて、高値で売っている、お店を持たない業者もたくさんあるのだとか。
「だからできるだけ株のサイズも、大きすぎるものや小さすぎるものではなく、平均的なサイズを取ったり。できる範囲で現地の株から種を取って、新しい株を作って売ったり…。道徳感とバランス感を持ってやってます。」
bio plantsにある商品の中には、政府からの契約を経て販売されている現地株も。「絶滅危惧種に近いものだから、必要以上には持たず、守りながら続けていきたいです。」と話してくれました。
好きを共有できる場所を無くさないために
話していると、「とにかく稼げへんのよ~」と笑って本音を明かす宮家さん。
「え~じゃあなんでこのお仕事をつづけられるんですか?」と聞くと、
「やり始めてしもたもん、やめられへんや~ん」と冗談めかして言い放ちます。
「…でもめっちゃ楽しいで。
歳も年齢も違う人が植物でつながってて、他の趣味でも盛り上がったり。そんな自分の好きなもんやったり、価値観を共有してくれる人が集まってきてくれるので、この場所を無くしたくないと思います。」
陽気なおじさまだと油断していると、冗談の中に、秘めた想いをぽつぽつと話してくれる宮家さん。その一つひとつが、植物への愛情やお客さんへの気持ちの深さを感じさせてくれます。