日本一巨大な万華鏡を見に行く
biwacommon編集部のジョーだ。
観光地を歩いていると、「なぜこんな一等地の近くに、これほど不思議な空間が?」と驚くことがある。きれいに整備された観光地の中に、昔のままの風景や、どこか取り残されたような場所が残っているのだ。
しかし、そうした場所には、観光地化されすぎていない、地方のリアルな歴史が感じられる面白さがある。今回紹介するのは、そんな不思議な空間の一角に佇む、日本一巨大な【竪型万華鏡】だ。
場所は長浜の観光名所である黒壁スクエアの北側にある「ゆう壱番街祝町通り」。商店街の真ん中付近にある路地へ入っていくと、ふと看板が現れる。
※「竪型」とは、一般的な手持ちの万華鏡とは異なり、塔のように縦に立てた構造のこと。
黒壁スクエアの路地裏に広がる「感響フリーマーケットガーデン」
古き良き黒壁の商店街から、突如として不思議な世界が現れる。どこか味わいのあるレトロでカオスな空間。草木に覆われ、長い年月の中で自然に飲み込まれたような道を進んでいくと、やがて看板が見えてくる。
「感響フリーマーケットガーデン」。
なかなかインパクトのあるネーミングと雰囲気だ。店舗のような建物もいくつか見られるが、訪れたのは平日の正午前ということもあり、この日は営業している様子はなかった。土日祝日にはイベントが開催されているとのこと。
板が敷かれた道を、そのまま奥へ進んでいく。無造作にベンチが並んでいる。
高さ約8m!日本一巨大な「竪型万華鏡」
突如として現れたのが、日本一巨大な「竪型万華鏡」。高さは約8メートル。2004年に黒壁グループ協議会によって設置されたという。
見た目の年季に対して、比較的古くはない。老朽化が進んでおり、控えめに言っても「昭和初期からあるのでは?」と思ってしまうほどの堂々たる佇まい。それはそれで味わい深く、どこかノスタルジーを感じさせる。
ハンドルを回すと、頭上に万華鏡の世界が広がる
タワーの中から上を見上げる。すると、三角形のガラスがはめ込まれていて、その向こうに万華鏡が見える。太陽の光を受けて、キラキラと輝いている。
手動のハンドルを回すと、タワー上部のパネルが回転し、頭上に美しい万華鏡の世界が広がる。「ハンドルをゆっくり回して下さい」と注意書きがある。実際に回してみると、ハンドルはやや重い。
外観からは想像できない、美しい万華鏡
黄、白、緑…。鮮やかな色彩と模様が次々と移り変わっていく。外観の雰囲気とは裏腹に、ちゃんとした万華鏡だ。なかなかきれいではないか。
「ガラスの街」として知られる長浜。その街ならではのユニークなスポットとして、黒壁スクエア観光の合間に気軽に立ち寄ってみるのもいいだろう。
絵馬に願いを込める、秀吉ゆかりの開運スポット
万華鏡の裏側には、奉納された絵馬がずらりと並んでいる。長浜城初代城主・豊臣秀吉(羽柴秀吉)にちなんで、「出世運」や「開運」を願うものだ。
クセの強い秀吉のオブジェのすぐ隣には、開運を願う絵馬の奉納スペースが設けられており、200円で絵馬を書くこともできる。万華鏡とは直接関係ないが、秀吉ゆかりの開運スポットとしても楽しめるのが面白い。
美しい万華鏡と、レトロでカオスな空間を楽しむ
観光名所である黒壁スクエアの一角に、ひっそりと、そして大胆に佇む日本一巨大な万華鏡。長浜は滋賀県内でも有数の観光地。予算をかけて、いくらでもきれいに整備することもできただろう。しかし、「感響フリーマーケットガーデン」は、独自の雰囲気を残したまま存在し続けている。
この独特な雰囲気の正体は、平成中期の地方街おこしの熱量と、その後の長い歳月による経年変化が重なり合って生まれた、リアルなレトロ・カオス感なのだろう。素材は錆び、色褪せているが、それが独特の「退廃的な味」になっている。ハンドルを回したときに見える美しい光と、周囲の錆びた質感。そのコントラストも、この場所ならではの魅力だ。
ぜひ、長浜・黒壁スクエアを訪れた際は、日本一巨大な「竪型万華鏡」を探してみてほしい。独特な世界観と、頭上に広がる不思議な万華鏡を体験できる。
ちなみに、無料でいつでも体験可能だ。
竪型万華鏡 ※ゆう壱番街祝町通りの路地裏
滋賀県長浜市元浜町21−23