
biwacommon編集部アヤです。
琵琶湖沿いにある住宅地の中に私が勤める会社はあります。それを聞いた人は「さぞかし眺めのいい景色を見ながら仕事をしているんでしょうね。羨ましい。」と思うかもしれません。
建物が少なかった昔は確かにそうだった。でも今となってはたくさんの建物に遮られ、会社の窓から琵琶湖は全く見えなくなってしまったのです。
その同じ住宅地の中に私を優しく癒し、いつも違った景色を見せてくれる1軒のカフェ【KAYANO COFFEE】があります。
なぜこんなに癒され、穏やかな気持ちになれるのか。
ここには、私の”好き”がたくさん詰め込まれているからなのです。
知らない人は通りに出ている看板を見て、初めてここがカフェだと気づくかもしれません。外からは店内の様子が見えないのですが、それでも入りにくさを感じさせないのは、このエントランスにあると私は思っています。
手入れが行き届いた植物、そこに柔らかく差し込む日差し。ここに立つと私は避暑地のカフェに来たような、そんな不思議な感覚に陥るのです。
そして、真鍮のドアノブがついた木製の扉を開くと、そこから私の”好き”が溢れだしてきます。
外の喧騒が遮断された建物の中は、木の香りが漂います。あからさまな木の香りというものではなく、コーヒーなど色々な香りが合わさったものなのかもしれません。
それはなんとも言い難い、この場所だけの香りなのです。この香りのルームフレグランスがあったら、私は迷わず購入しているでしょう。
青と白を基調とした店内には、木材を使ったテーブルや棚などのインテリアが施され、スタイリッシュでありながらも、温もりを感じる空間が広がります。
窓際に2人掛けの小さなテーブル席が2つと、椅子が5つ置かれたカウンター席。
私のお気に入りの席は、一番奥の窓際のテーブル席。壁を背にしてこのテーブル席に座ると、窓から外の景色とエントランスの緑、そして店内を見渡すことができます。
注文した料理が運ばれてくるまでの時間、私は持参した小説を読んで自分の世界にどっぷり浸ります。小説と、コーヒーの香りと、静かに流れるジャズ。この時間は私にとって何より至福の時なのです。
若かりし頃はコーヒーの香りは好きだけど味が苦手で、お砂糖とミルクをたっぷり入れて、もはやコーヒーとは呼べない飲み物しか飲めませんでした。それが、いつからかブラックでコーヒーを飲めるまでに成長しました。
ただコーヒーのなかには、舌にまとわりつくような特徴のコーヒーもあり、そういったコーヒーは今も苦手。最後まで飲み切ることができないこともあります。
KAYANO COFFEEではコーヒーのオーダーが入ってから豆が挽かれ、1杯ずつ丁寧に丁寧にハンドドリップされたコーヒーをいただくことができます。
どんなに忙しくても、手を抜かずハンドドリップされたコーヒーは、スッとのどを通っていきます。口の中に嫌な雑味が残らないので、私はここでいただくコーヒーが本当に好きなのです。
この日選んだコーヒーは、エチオピア・イルガチェフェ。「柑橘系の華やかなフレーバーとわずかな酸味のコーヒー」とメニューに書かれてあります。
格好つけずに正直に言うと、私は柑橘系だとか、フルーティーという繊細な味や違いについてわかるような神の舌を持っていません。でもとにかく飲みやすく、スッキリとした味わいがとても気に入っているおすすめのコーヒーです。
メニューには「宇治 坂田又兵衛のほうじ茶」など美味しそうなドリンクが他にも色々ありますが、店内に漂うコーヒーの香りで『また今度』と、やっぱり今日もコーヒーを選んでしまうのです。
いつも決まって注文する、大好きな「バジルとソーセージの厚切りピザトースト」が運ばれてくると、直ちに読みかけの本を閉じます。目の前に置かれた、とろとろチーズにソーセージ、バジルペーストがトッピングされたこのトーストに全集中します。
飽き性の私ですが、このバジルとソーセージの厚切りピザトーストは、ずっと変わらず大好きです。その秘密は、ピザトーストにトッピングされているバジルペーストにあると確信しています。
敷地内で育てられた新鮮なバジルで手作りされたバジルペースト。鮮やかな緑色のペーストは、バジルの風味が濃く、爽やかで、これ無しでもきっと美味しいであろうピザトーストをさらに引き立ててくれます。
自分の好きなものを一番最後に食べる私は、今日もバジルペーストがトッピングされている部分を最後まで残し、惜しみつつ口に入れ幸せいっぱいな気持ちになるのです。
試行錯誤の上に作られた、こだわりバゲットの「フレンチトースト」も人気メニューの一つ。お好みで季節のフルーツやアイスクリームのトッピングが選べます。美しく盛り付けられた見た目に、美味しさとボリュームも兼ね備えた満足できる一皿です。
数人で訪れたときは、バジルとソーセージの厚切りピザトーストと一緒に、フレンチトーストをシェアするのも楽しみ。
期間限定のスイーツなど魅力的なメニューの誘惑に耐えられず、スイーツまで頼んでしまい、お腹がはちきれそうになることもしばしば。要注意です。
そして忘れてはいけない、カフェの隣にあるショップ【A+store】。
ここには、カフェで使われている食器や、コーヒーツール、素敵な照明器具など、センスの良い生活雑貨が所狭しと並べられています。
プラスティックではないコーヒードリッパーが欲しいと思っていた私は、ここで理想的なコーヒードリッパーと出合ってしまったのです。思い描いていた念願のコーヒードリッパーと、それを使ってコーヒーを入れるという尊い時間をも手に入れることができました。
このような思いがけない出合いがあったり、至福の時間を過ごすことができたり。私にとってKAYANO COFFEEは心を落ち着かせてまた仕事に戻ることができる、なくてはならない場所になっているのです。
<今回ご紹介したメニュー>
・バジルとソーセージの厚切りピザトースト 680円
・フレンチトースト 930円〜
・エチオピア・イルガチェフェ 600円
【KAYANO COFFEE】
住所:〒520-2143 滋賀県大津市萱野浦12-3
営業時間:11:00~17:00
定休日:火・水曜日
Instagram @kayanocoffee_aplusstore/