「誰もが訪れやすい美術館」を目指して
迎えてくださったのは運営されている社会福祉法人glow(グロー)の赤澤さん。美術館のことはもちろん作品やglowの取り組みについても詳しくお話ししてくださいました。
「障がいのある方の作品だけを展示しているスペースだと思われがちですが、そういったわけではありません」と赤澤さんはお話しされていました。実際には、幅広いジャンルのアーティストの作品を展示されています。
「誰もが訪れやすい美術館」を目指しており、訪れた人に“芸術”とは何か“表現”とは何かを考えてもらえる場でありたいと思いながら活動されているそうです。
パンフレットに工夫が…!
美術館に訪れると、「誰もが訪れやすい美術館」ならではの工夫が至る所で発見できました!
1つはパンフレット。一般的な縦長の美術館パンフレットに加え、「やさしい美術館ガイド」という冊子も設置されています。このガイドは
* 短い文章
* わかりやすい表現
* 見やすい文字の形
* 漢字・カタカナ・アルファベットにふりがな
* 図形や記号・写真による説明
という5つの特徴を持っています。 特に文字は、縦型パンフレットよりも大きく読みやすいため、ストレスなく情報を得ることができます。個人的には、2種類のパンフレットを合わせて読むと、より理解が深まるのでおすすめです!赤澤さんによると、「やさしい美術館ガイド」はとてもが人気で部数の減りがはやいそう。
「色、いろ、イロ」展!
NO-MAではテーマに沿った企画展が年に4〜5回ほど開催されています。今回の企画展は、所蔵作品を展示するコレクション展ということで「色、いろ、イロ」展として開催されています。第1期(5月24日〜7月21日)と第2期(7月26日〜9月28日)で展示されている作品が異なります。
私の 訪れた第1期では、とにかく作品がカラフル! ギラギラするほどインパクトのある色使いがされているものから、優しいパステルのような色味のものまでさまざまです。一方、第2期は単色で表現された作品の展示となり雰囲気がガラッと変わるとのこと!
今回の企画では6名の作家の作品が展示されています。その中の4名はどちらの期間でも作品が展示されるようで、それぞれの期間で異なる表現を楽しめるのも魅力です。
見て!さわって!さまざまな鑑賞方法
パワフルな色使いが印象的なのは岩崎司さんの作品です。 線数も多く、今にも飛び出してきそうな迫力のあるイラストに、筆文字が力強く書かれています。 迫力のある作品の一方で、娘への愛を歌ったような短歌の作品もありました。
目にとまったのは、イラストの後ろに敷き詰められている、チラシをぐるぐるに巻いて筒状にしたあしらい。これはしばらくするとイラストを描いた紙が丸まってしまうのを解決するため、岩崎さんなりに見つけた方法だったようです。
作品の前に展示されている「触図」は、目が見えない方でも作品を楽しめる鑑賞方法の一つです。 岩崎さんの作品では、イラストの線数を全体的に減らし、指でさわれば分かるほど立体的に印刷されています。 目の見えない人でも「動物のいる作品」「人の顔がある作品」と理解できるきっかけになるそう。筒状のチラシの部分まで再現されています。
景色と作品を同時に楽しみながら
三橋精樹さんの作品は、イラストとともにカタカナを多用したユニークな解説が特徴です。 解説内容は、野菜の話や西部映画のシーンなどさまざま。じっくり読み進めると、それぞれのシーンや状況が詳しく説明されており、作品の世界観に深く浸ることができます。 表にイラスト、裏に説明が書かれているものが多く、両面を見るのに適した什器を使って展示されています。
三橋さんの作品がある2階の展示室からは、中庭の景色が同時に楽しめます。町屋ならではの大きな窓から覗く穏やかな風景と作品が一体となり、ゆったりとした時間を過ごしながら作品を楽しめるのも、この美術館の大きな魅力です。
NO-MAコレクションPart 5 「NO-MAヒストリー」が開催中!〈2026年6月追記〉
現在、「NO-MAコレクション Part 5『NO-MAヒストリー』」が開催されています。
2004年の開館以来、NO-MAでは35作家・3万点を超える作品を収蔵。今回の展示では、それらのコレクションを収蔵順にたどりながら、3会期に分けて紹介しています。絵画や陶芸、立体作品など、多彩な表現の作品を楽しめる展示となっています。
「以前見逃してしまったあの作品」や、「もう一度見たいと思っていた作品」に再会できるチャンス!会期ごとに展示作品が入れ替わるため、何度訪れても新たな発見があるはず。気になる方は、ぜひ会期ごとに足を運んでみてはいかがでしょうか!
NO-MAコレクションPart 5 「NO-MAヒストリー」
会期:第1期 2026年5月2日(土)~7月12日(日)/第2期 7月18日(土)~9月27日(日)/第3期10月3日(土)~12月6日(日)
開館時間:11:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)※7月13日(月)~7月17日(金)、9月28日(月)~10月2日(金)は展示替え期間のため休館となります。来館の際はご注意ください。
観覧料:一般200円(150円) 高大生150円(100円)
※中学生以下無料、障害のある方と付添者1名無料
※( )内は20名以上の団体料金