
こんにちは、コバです。
琵琶湖博物館の紹介のPart2です。
今回は、特にたくさんの展示を紹介しますので、ネタバレ注意です。前回に引き続き博物館の展示の説明には載っていないようなお話を学芸員の鈴木さんからたくさん聞くことができましたので、紹介していきます。
博物館に行かれる予定のある方は、展示を巡りながらこの記事読んでいただけると、より楽しめると思います!
今回は、「湖の2万年と私たち 〜自然と暮らしの歴史〜」がテーマのB展示室の続きから「湖のいまと私たち 〜暮らしとつながる自然〜」がテーマのC展示室までの記事です。
今の私たちの暮らしにも通じる人々の営みと、滋賀県の自然との繋がりを感じることができる良い展示ばかりでした!
※Part1は下記のURLからご覧いただけます。
https://biwacommon.com/cat003/biwako_hakubutukan/
実は琵琶湖の湖底には複数の遺跡の痕跡が見つかっており、博物館では貝塚や出土品の標本、調査記録に関わる展示を見ることができます。
例えば上の画像は、湖北の先端で見つかった「葛籠尾崎(つづらおざき)湖底遺跡」の湖底の様子を復元したレプリカです。これらの土器は廃棄されたものではなく、捧げものとして神事に使われたのではないかと予想されているとのこと。
現在も水中ドローンなど新しい技術を駆使して、調査・研究が進められているそうです。新しい発見が楽しみですね!
因みに長浜市にある「葛籠尾崎湖底遺跡資料館」で実物の貝塚や出土品を見ることができます。(要事前予約です。)
また、琵琶湖南端部、瀬田川付近の湖底で1991年に行われた「粟津(あわづ)貝塚」の調査。こちらは、矢板を使って琵琶湖の水を全て吸いだして行われた、湖底遺跡調査で最も大規模な調査です。
当時の調査現場を再現した展示は、その規模の大きさを感じるものになっているはずです!調査服も着ることができるので、是非その場に立ってみて欲しいです。
滋賀県には琵琶湖をはじめ様々な環境の水源地があります。そこに生息する生き物に応じて多くの漁具が発展していったそうです。
博物館では、現在も同じ原理で漁に使われているものから、法律で使用が禁じられているものまで、昔の漁具の実物を見ることができます!
「ごんぎつね」のような昔話に登場する漁具や、幼い頃に祖父の家で見た漁具の実物をみることができて、感動しました!
昔はドジョウもたくさんいて、食用に獲られていたとか。
主にエビを獲るための設置型の罠「エビタツベ」です。今も素材は変わっているものの沖島周辺で使われていたり、外来魚捕獲のために使われたりするそうです。
滋賀県には「えび豆」という小さなエビと大豆とを炊き合わせた郷土料理があるのですが、「エビタツベ」を使った漁がある地域では、エビの割合が多くなるのだとか(笑)
壁にぶつかると壁に沿って進むという魚の習性を利用した迷路型の大規模な漁です。
滋賀県は海から遠い分、琵琶湖で新鮮な魚を獲るために昔から様々な漁法が考えられていたんですね~
昭和初期まで琵琶湖の交通・輸送の要だった「丸子船」。江戸時代には1,000隻以上が運航していたんだとか。
琵琶湖は海と違って淡水なので浮力が少なく、丸子船はそれを補うような構造になっていることや、船尾が神社の鳥居のような形をしていることが特徴です。
博物館では、丸子船職人の大工さん作の本物が展示されており、これが最後に作られた丸子船なんだとか。国の登録有形民俗文化財にもなっています。
展示される前に対岸の堅田の造船所から博物館まで、一度だけですが実際に琵琶湖を渡っているそうです。
琵琶湖から大阪湾までの航空写真を釉薬(ゆうやく)で描いた特殊なセラミックタイルです。特性上、30年経っても色褪せや傷のような劣化がほとんど無いんだとか!
写真では分かりにくいと思いますが、かなり広い空間で、衛星になった気分になれます。住んでいる場所を探してみたり、30年前と今との違いを探してみるのも面白いと思います!
琵琶湖周辺には「ヨシ」という2〜3メートルにもなる水辺に生えるイネ科の植物がたくさん生えており、水鳥のカイツブリなど、色んな生き物の住処になっています。
博物館では、ヨシと生き物たちの展示と、日本最小のねずみ「カヤネズミ」を観察することができます。とても可愛らしいです!
カヤネズミは、田んぼにも生息しているので、昔は米を食べる害獣として嫌われていたそうですが、最新の研究で主食が昆虫であることが分かったそうです。良かったね。
長い尻尾は、ヨシの上などでバランスをとったり、巻き付けて命綱にしたりするそうです。器用ですね。
滋賀県の田んぼには、5,600種以上の生き物が生息しているらしく、その生き物たちの写真を集めた一枚絵は圧巻です!自然と農業との繋がりを感じます。
田んぼでよく見る生き物から珍しい生き物まで、様々な標本や模型を見ることができます。
増え過ぎたことによって問題になっている生き物たちもいます。
「カワウ」は、巣作りのために木の枝を折ったり、大量の糞で木を枯らしたりしてしまいます。
シカも若い植物や樹皮を食べてしまうらしく、県と猟師さんとが協同で対策しています。
昭和初期から年代別に三種の神器(テレビ・洗濯機・冷蔵庫)やその時代に流行したものが展示されています。
教科書や昔のアニメ作品でしか見たことないような冷蔵庫や幼い頃に祖父の家で見た洗濯機もありました!テレビは、その当時の映り方を再現して動いていました。
思い入れのある年に流行したものを見て、思い出に浸るのも良いかもですね!
実際に住居として使用されていた古い家(冨江家)を解体してそのまま持って来たんだとか。
あの「五右衛門風呂」がある時代のお家に上がるという、貴重な体験ができました!
日本には約200種のトンボが生息しているそうですが、その内100種以上は滋賀県で見ることができるそうです。
上の写真は、滋賀県で100種類のトンボが見つかった記念の、大型トンボ「メガネサナエ」の模型です。
メガネサナエは、腹長44〜49mmのトンボで、翅の模様はトンボによって違い、むしろ翅の模様と後頭部で種を見分けるそうなので、40倍サイズの模型もかなり精工に作られているんだとか。
種としては同じ「センチコガネ」なのに、生息している地域によって色が変わるそうです。綺麗で鮮やかで、不思議ですね。
カタツムリを主食とする虫「マイマイカブリ」。
町中で見ることは難しい珍しい虫ですが、滋賀県は石灰質の山が多くカタツムリもたくさん生息しているため、チャンスはあります。
滋賀県に生息する鳥や動物の剝製を間近で観察することができます!
普段見ている鳩や烏にも種類があるので、その違いを見比べるだけでも面白いですよ!
Part3に続きます。お楽しみに!
※記事内の博物館の写真は、琵琶湖博物館で撮影したものです。
※博物館についての説明は、琵琶湖博物館のHPから一部引用しております。
※博物館の展示内容は、変更になることがあります。
滋賀県立琵琶湖博物館
https://www.biwahaku.jp/
住所:〒525-0001 滋賀県草津市下物町1091
TEL:077-568-4811 / FAX: 077-568-4850
開館時間:9:30〜17:00(最終入館 16:00)
休館日:毎週月曜日(休日の場合は開館)、その他臨時休館あり