
biwacommon編集部のニシオカです。
肌を刺すような寒さが減っていき、徐々に草花の芽吹きも感じられる季節となってきました。ぽかぽかとした陽気にあてられると気分も高揚してくるような気がしますね!(私は花粉症との戦いが始まりますが……。)
今回はそんな春にぴったりなお菓子をご紹介したいと思います。
さて、お菓子屋さんで思い浮かべるのは、滋賀県では何と言っても【たねや】さん。同グループのクラブハリエのバームクーヘンは、今や県外の方からも認知度の高い商品ですが、今回ご紹介したいのは和菓子!
ちなみに、たねやさんが設立されたのはなんと1872年。150年以上続く、とっても歴史の深い和菓子店なんです。
早速その和菓子をいただきます! といきたいところですが、まずはこの素敵な包装からご紹介させてください。可愛らしいお花柄の手鞠を彷彿させるような唐花模様に、後ろからよもぎの葉が覗いています。雅でうららかな春を感じさせるデザインが美しいですね。
この柄、単に印刷されているわけではなく、箱を組み立てた時に柄がきちんと合わさるようになっています。さらにお花柄は少しエンボス加工されていて、奥行きが感じられるんです。工夫がすごい……!
金色のテープを剥がして箱を左右に開けば、まるでプレゼントの包みを解くような気持ちにさせてくれます。
さて、今回いただくのは春の季節菓子として販売されている草もちとさくら餅です。ちなみに、『草もち』と『さくら餅』は、どちらも春の季語なんだとか。食べながら一句考えるのもいいかも……?
綺麗な翡翠色のお餅の天面に焼き目がついています。色の濃さを見ただけでもわかりますが、食べる前からよもぎの香りがすごい……!
たねやさんにお話を伺ったところ、よもぎの上部の柔らかな部分だけを手作業で摘み取って収穫し、ふんだんに搗(つ)き入れているんだとか。このあざやかな色と香りの理由に納得ですね!
一口食べると、もちもちと弾力のある、それでいて柔らかいお餅の食感に驚きました。そして同時に口の中に広がるよもぎの風味!
こちらの草もち、別添えのきな粉をかけていただくようになっています。私もかけて食べてみたのですが、このきな粉が草もちにとても合うんです。きな粉の香ばしさとよもぎの晴れやかな味わいがマッチして、一口、二口とどんどん食べ進めたくなります。
そして、草もちと言えば忘れてはいけないのが餡子の存在。断面をご覧いただければおわかりかと思いますが、このぎっしりと詰まったつぶ餡!餡子好きの私にはたまらなかったです。
こんなに入っているとせっかくのよもぎが負けてしまうのでは……?と思ってしまうところですが、絶妙な甘さに仕上げられた餡子のおかげで、よもぎの風味はしっかりと感じられる状態で上品な味わいが楽しめます。満足度がとても高い一品でした!
少しお腹が空いた時、手土産としてお渡しする時など、いろんな場面にちょうどいい小ぶりなサイズ感なのも嬉しいポイントです。
私が最初に抱いた感想は、「美しい~!それに可愛い~!!」でした。語彙力がなくて申し訳ないのですが、今までに見てきたさくら餅とは異なる見た目に、とにかく目を奪われました。
たねやさんは滋賀県の和菓子店なのでもちろん関西風のさくら餅なのですが、一般的に関西風でイメージするのは、薄紅色のお餅の中に黒いつぶ餡が入っているもの。ですが、たねやさんのさくら餅はご覧の通り、白いお餅の中に薄紅色に色付けされた白いつぶ餡が入っているんです。
白いお餅の向こうに薄紅色の餡が少し透けて見えていて、美しい色合いを醸し出しています。上にちょこんと乗った塩漬けの桜が愛らしさを引き立てているのも趣がありますね。
さて、お味ですが、これまたすごい!
丁寧に塩漬けされてしっとりした桜の葉、もちもち感の中にぷちぷち感があるお餅、上品な甘さのつぶ餡、いわゆる「甘じょっぱい」が贅沢に味わえます。ふわっと漂う桜の香りは気分を一気にあたたかくしてくれますし、まさに春!といった感じ。お花見しながら外で食べたくなっちゃいます。
このさくら餅についてこだわった点やエピソードなどをたねやさんに伺ったところ、やはりこの白いつぶ餡が特徴的なんだとか。一般的な白餡は白いんげん豆が使用されることが多いのですが、たねやさんでは小豆の味を楽しめるよう北海道産の白小豆「キタホタル」を使用されているそうです。
白小豆の特徴は皮が薄いおかげで食べた時の皮の残りが少ないこと。確かに、食べた時に通常のつぶ餡では味わえない、かと言ってこし餡とは異なる独特のなめらかな口当たりを感じました。生産量が少なく希少な素材だそうで、それを使用してこの美しくておいしいさくら餅が作られていることに感動を覚えます。
いかがでしたでしょうか?たねやさんの草もちとさくら餅について、少しでも魅力をお伝えできていれば幸いです。
季節菓子は基本的には毎年同じものを販売されていることが多いそうですが、おいしさを追求するために商品を毎年見直していて、変更が生じる場合もあるとのこと。今年は2月15日から4月上旬まで、この草もちとさくら餅が販売されています。
≪価格(税込)≫
さくら餅 【2個入】 540円 / さくら餅 【3個入】 810円
草もち 【2個入】 432円 / 草もち 【3個入】 648円
全国のたねや店舗のほか、オンラインショップでも購入できます。
たねや https://taneya.jp/shop/
さて、たねやさんについて嬉しいニュースが入ってきました。
来たる3月24日(月)、大津市由美浜の大津湖岸なぎさ公園に新施設【LAGO 大津】がオープン!
滋賀県ならではの自然を体感できる、琵琶湖の風景とお菓子が楽しめる施設なんだとか。LAGOはイタリア語で「湖」の意味。地元をはじめ、国内外から多くの方にお越しいただけるよう願いをこめた名称だそうです。
LAGO 大津では、たねやさんならではの季節のお菓子のほか、テイクアウトも可能な滋賀県産の糯米を使用したおこわ、カフェテリアでいただける赤こん汁など、気になるものが目白押し。
とくに、目玉商品としてたねやさんが開発されたのが「たねやカステラ」!季節に合わせて様々な味が用意される予定で、その中の一つとして抹茶味が販売されることになりました。滋賀県土山町産の抹茶が生地にたっぷり入ったカステラ……ご提供いただいた写真だけでもおいしさが伝わってきますが、早く実物を食べてみたいですね!
このカステラの開発には苦戦されたとのことで、公式サイトに掲載された記事にてその詳細を読むことができますのでぜひ。
さらに、成安造形大学と共同開発した、近江八景をテーマにしたお菓子も新商品として並びます。
まずはオープン後、私も機会を見て訪れてみたいと思います!
LAGO 大津(ラーゴ おおつ)
所在地:滋賀県大津市由美浜4番地
オープン:2025年3月24日(月)
公式サイト:https://taneya.jp/lago/