
biwacommon編集部のモリモトです!
賤ヶ岳の取材で歴史を学んだあと、「賤ヶ岳の戦い」で秀吉を勝利へ導いたとされる七人の若き武将「七本槍(しちほんやり)」を由来とする、縁起の良い日本酒があると聞きつけました。
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それが、地元はもちろん全国からも人気の高い日本酒【七本鎗】です。
歴史上では「七本槍」と書かれますが、現在の銘柄では「七本鎗」と表記されています。これは、12代目蔵元が親交のあった日本を代表する芸術家・北大路魯山人が、この字を用いて作品を残したことに由来しているそうです。
この「七本鎗」を造るのは、滋賀県長浜市木之本町の老舗酒蔵「冨田酒造」。創業は天文年間(1532年-1555年)の約500年の歴史を持つ酒蔵です。

日本酒に疎い私にとっては、ほぼ“日本酒デビュー”のようなもの。そんな初心者が、500年の歴史ある酒蔵にうかがっていいのかと緊張しながら訪れました。
大きな杉玉を横目に、いざ入店。
玄関には“THE 日本家屋”といった趣の空間に、日本酒の瓶がずらりと並んでいます。
お客さんの出入りも多く、その人気ぶりがうかがえます。
店内には日本酒のほかにも、手拭いやTシャツ、トートバッグ、酒器などのオリジナルグッズが豊富!ほかにも滋賀ならではの和蝋燭などが販売されていて、日本酒に限らずお土産選びにもぴったりです。
さらに、七本鎗を使ったチーズケーキやジェラートも販売されています。
「いきなり日本酒デビューはちょっと緊張するな…」ということで、まずは七本鎗の酒粕を使った「酒粕ジェラート」でちょっとずつ日本酒に慣れていきます。

「七本鎗の酒粕ジェラート」は以前、永源寺を訪れた際に立ち寄った「池田牧場」さんとのコラボ商品!「池田牧場」さんのファンでもある私は、「これは絶対に美味しいに違いない」と、食べる前から確信していました。
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▶︎永源寺びより〜蕎麦食べて、ジェラート食べて、ダムまで見た日~
店内のイートインスペースで、さっそくいただきます。
ひと口食べると、ミルキーなジェラートに酒粕のやさしい甘みがふんわりと広がります。酒粕というと好き嫌いが分かれる印象がありますが、このジェラートはほんのり香る程度でクセがなく、あっさりとした口当たりで、最後まで飽きずに食べ切れます。
アルコール度数1%未満の食品扱いなので、お子さんでも食べられます。(微量ですがアルコールは含まれているのでご注意を!)
日本酒の酒蔵ですが、これなら小さい子どものいる家族でも一緒に楽しめるのが魅力。幅広い世代におすすめしたい、やさしい味のジェラートです。

さてここからが本番の日本酒選びです。
お店の方に「日本酒素人なんですけど…」と打ち明けると、初心者でも分かりやすくフレンドリーかつ、丁寧に説明してくださり、おかげで安心して選ぶことができました。
七本鎗はとにかく種類が豊富!日本酒上級者の方でも店員さんと相談しながら選ぶことで、より七本鎗の奥深さを知るきっかけになるのではないでしょうか。
店員さんにおすすめを聞くのもよし、ラベルのデザインを見て直感で“パケ買い”するのもよし!
自分らしい選び方で、ぜひお気に入りの一本を見つけてみてください。

賤ヶ岳の戦いにちなんだお土産らしいパッケージが印象的で、憧れの“飲み比べ”ができる、「七本槍 上撰」と「七本鎗 純米」のセットを購入。
「七本槍 上撰」は地元で愛される昔ながらの晩酌酒。ラベルには、かつて使用されていた“槍”の文字が描かれています。
飲み飽きしない辛口タイプで、濃淡・辛甘のバランスが良く、冷やから熱燗まで幅広い温度帯で楽しめるのが魅力。

初めての七本鎗におすすめと教えてもらったのが、定番酒の「純米」。
店員さんによると、このお酒は米の旨味としっかりとした酸味が特徴で、食中酒として料理と一緒に味わうと、その個性がより際立つとのこと。さっそく帰宅後、お刺身と一緒にいただいてみました。
すっきりとしたキレと、余韻に広がる米のまろやかな甘みが心地よく、普段あまり日本酒を飲まない方でもおすすめの商品です。

滋賀県産の酒米と、伊吹山地の伏流水を蔵内の井戸から汲み上げて仕込み、受け継がれる伝統の技によって醸されている七本鎗。
店員さんとお話をしている中で、印象に残った言葉が「ストーリーで呑む」というものでした。
七本鎗は、種類が豊富なだけに、それぞれが多くの過程を経て生まれた一本ばかりです。
無農薬の米を使ったもの、完成してからさらに熟成させたもの、長浜の食文化に寄り添うように造られたものなど、本当にさまざま。
そんなふうに「土地や歴史を呑む」ことに重きを置いているのが七本鎗です。
次の一本はどれにしようか──また新しい出会いを求めて、訪れようと思います!
「冨田酒造」
〒529-0425 滋賀県長浜市木之本町木之本1107
営業時間 :9:00〜17:00
定休日:不定休
電話:0749-82-2013
FAX:0749-82-5507
公式サイト:https://www.7yari.co.jp/