料理を美味しくしてくれる魔法の器【信楽焼】

料理を美味しくしてくれる魔法の器【信楽焼】

食器が果たす役割は実はすごく大きい

体育会系の男子高校生が2人いる我が家では、とにかく食べ物の消費スピードがハンパない。とくに夕食はどんなに手の込んだものを作っても、テーブルに並べたと同時に消えていきます。それも、主に肉から。バランス良く野菜や魚も食べて欲しいけれど「肉しか勝たん。」と思っているのが箸の動きで分かります 泣。最近は真面目に料理を作る意欲を削がれ、スーパーのパック総菜に頼ることも増えてきました。

また手抜きしちゃった、という罪悪感と敗北感。しかし!そんな気持ちを一蹴してくれるのが「お気に入りの器」の存在です。パックから取り出して盛り付けるだけで、買ってきたポテサラや唐揚げが命を吹き込まれたかのごとく美味しそうに輝き出します。荒んでいた心には余裕が生まれます。ありがとう~、お惣菜と素敵な器。

いろいろあるなかで信楽焼を選ぶ理由

さて、我が家の「お気に入りの器」は7割が信楽焼で構成されています。個人的に思う「普段使いの食器ランキング」堂々の一位が信楽焼だからです。その理由は、

①丈夫
②料理を選ばない
③味わいがある

①丈夫→めちゃくちゃ丈夫です。電子レンジも食洗機もかけまくっていますが、変色もひび割れも起こりません(※個体差があります。お店に確認し、自己責任でお願いします)。普段使いの食器は扱いやすいことが最重要です。

②料理を選ばない→和洋中にスイーツ、ジャンルを問わずどんな料理にでも合います。最近は洋菓子と色鮮やかなフルーツを渋めの信楽焼に盛り付けて、大人映えな一皿にするのがお気に入りです。

③味わいがある→今は均一ショップにも可愛くておしゃれな器がたくさん並んでいますが、さすがに”味わい”まで醸し出せるものは見かけません。どっこい信楽焼は土ものならではの素朴な風合いに加え、一つひとつに色や形の微妙な表情の違いがあり、あったか深~い表情が楽しめます。さらに、使い込むほどに味わいが増してオリジナル化していくのだから、ただただ愛おしい。

現代の生活にスッと溶け込む伝統工芸品

日本六代古窯のひとつ滋賀県信楽で400年前から始まり、昭和51年には国から伝統工芸品に指定された信楽焼ですが、近年は新たなムーヴメントも起こっています。例えば、いま注目しているのが1937年創業の丸十陶器さんが立ち上げたオリジナルブランド「CONTENTS」。継承されてきた伝統や技をくつがえすのではなく、時代の空気感を加味し、暮らしの中の様々なシーンに溶け込み、日々の食卓がより楽しい時間となるような器…をモットーに創作されています。

なかでも一押しは、色鮮やかなブルーが特徴のターコイズシリーズ。大小鉢もの、プレート、カップなどをサイズ違いで揃えるのもいいけれど、食卓のアクセントに1点投入するのも粋。和でも洋でも、夏でも冬でも、オールマイティに使えるので、我が家でも大活躍しています。

食卓の記憶に残るような器を集めていきたい

思えば、自分が子どもだった頃の食卓の記憶のなかでも、器が大きなウエイトを占めている気がします。大好きなカレーは赤いライン入りのプレート皿で、ちょっと苦手な煮魚は緑の四角い和皿だったな.…という具合。子どもにとってみたら実は料理の味よりも、器がどんなだったかの方が色濃く記憶に残っているんだな〜と。(←母よゴメン)

生きることに、食べることは欠かせません。それが手作りの料理でも、買ってきたお惣菜であっても、器の力で美味しさの底上げができるなら、よりおいしく食べられる方を選びます。自分や子どもたちの食卓に記憶に残るような「お気に入りの器」。じっくりと吟味しながら、これからも少しずつ集めていこうと思います。