先代から続く昔ながらのあられを守り続ける 【七福堂製菓】阪田千彩子さん

先代から続く昔ながらのあられを守り続ける
【七福堂製菓】阪田千彩子さん

2025.5.9彦根・湖東

あられとの思い出、、

あられつまみ食い

biwacommon編集部のモリモトです。

皆さんは『あられ』好きですか?
私は祖父母と暮らしていることもあり、あられというとビニール袋にパンパンに詰まった貰い物の田舎あられを机の下でつまみぐいしていたことを思い出すのですが、、そんなあられとの思い出はさておき。

今回は滋賀羽二重糯(はぶたえもち)で昔ながらのあられを守り続けておられる【七福堂製菓】さんを訪ねてきました!

昔ながらの味を守り続ける七福堂さん

現社長のお父様が東京で修行をされ、そこで得た技術を五箇荘に持ち帰ったことがきっかけで誕生した七福堂さん。

1965年(昭和40年)の創業当時からずっと同じ製法で、手間を惜しまず、好奇心とお客さまのニーズ、アレルギーへの配慮をしながら商品を作り続けられています。

人気商品の壹分金(いちぶきん)は1973年(昭和48年)、鹿児島にて開催された「第18回全国菓子大博覧会」で名誉金賞を受賞されています。

なりたくない職業No.1だったあられ屋

五個荘の山道を不安になりながらずんずん進むと見えてきたのが『工場直売』の文字!!
出迎えていただいたのは先代から伝統を受け継いでこられた二代目社長の阪田千彩子さんです。

千彩子さんは小さい頃からお父様の働いている様子を近くで見ていたそうで、、。

モリモト:昭和40年から創業というこで、小さい頃からあられ屋さんになりたい!という気持ちがあったんですか??

千彩子さん:全くなかったです。(笑)
なりたくない職業ランキングの一位があられ屋さんでした。
その時の自営業は休みがなかったし、近所の人からは「千彩子ちゃんがあられ屋さんになるんやろ?」って言われすぎて「絶対やりません」って言い切っていました。(笑)

モリモト:じゃあいま社長に就任されたのはお父様からのご指名があったんですか??

千彩子さん:そうではなくて!
父が70歳になるタイミングで廃業を予定していたんですが、取引先や、主人の職場の人、、とにかく周囲の人から「辞めることがもったいない!残しとかな!」と言われたことがきっかけで。
継ぐのは近くで見てきた家族の方がいいんじゃないか??と思いやりたくなかったはずなのに、なぜか私から父にあられ屋を継がせてくださいと頭を下げに行きました(笑)

社長就任から10年、まだまだ精進中!

何度かお父様から反対されたものの、2015年(平成27年)に二代目社長に就任。
そのとき勤務されていた職場を離れ、あられの仕事を受け継ぐことに。

モリモト:伝統を受け継いでいくなかで大変だったことはありましたか?

千彩子さん:父は引き渡すつもりがなかったのでマニュアルもなく、教えるというよりは感覚で覚えていけという職人タイプ。まず感覚を掴むのが難しかったです。
10年たった今でも生地の乾燥具合や、焼け具合で失敗することもあります。たまに味付け濃かったなとか(笑)まだまだ一人前とは思ってませんし、やらなければいけないことはたくさんあるなと日々感じています。

滋賀の素材を使ったおすすめ商品

滋賀羽二重糯を使用したり、ロングセーラー商品の「生姜あられ」には滋賀県産の土生姜を使ったり。素材からこだわりと滋賀愛を感じる七福堂さんの商品。
もちろんどの商品も良いのは前提で!おすすめの商品を聞いてみました。

千彩子さん:作っている側は案外食べないものなんですが、、(笑)
特に滋賀県産の材料を多く取り入れているもので言うと東近江市愛東産の菜種油「菜ばかり」とカレールー「菜ばカリー」を使った『菜ばカリーチップス』はよく褒めていただけます。
せっかく商品を作るなら素材は地元滋賀のものを使いたい!と決めています。

愛されるあられが出来上がるまで

あられ製作過程

千彩子さん:あられを作る工程ですが、餅をついてから完成までに一週間はかかります。
今日は、餅米を蒸す日、削る日、乾かす日、焼く日、揚げる日、と分けて作業するので、毎日違う作業をしています。
飽き性なので飽きてきたら、新商品作ってみたりパッケージを新しくしてみたり、あられ作りや販売以外にも異なる作業を挟んでいます。

新商品誕生のきっかけは?

七福堂のトートバック

イベントや催事で隣になったブースの方には必ず声をかけにいくそう!
なんともそのフットワークの軽さと、人柄の良さが惹きつけたご縁で生まれた商品がたくさんあるなという印象を受けました。

例えば、お店中にある可愛い七福人のロゴが手刷りされたトートバックや巾着。段ボール業者さんが持っていた古くなってきた版を、「もったいないから七福人マークのところだけちょうだい!」と切り取って印刷したグッズです。ハンコ好きの私にはたまらん可愛いのと、巾着欲しさに購入してしまいました。

伝統を守り続ける原動力となるのは?

直売所

イベントで量り売りをされていたり、新商品を開発されていたり、、。伝統を守りつつ、新しいことにチャレンジされている千彩子さんの原動力はどこからくるものなのか。

千彩子さん:イベントに来られる中の三分の一がリピーターさん。「やっぱり七福堂さんのあられが好きなんです!どこで買えるんですか!?」とか、「ずっと続けてください!」と言ってもらえると「いつまで続くかわかりませんねー」と言いながらも、やっててよかったなと思います。

こんなところに七福堂!

彦根ビバシティーで商品を発見!

ビバシティ彦根でお買い物中、「無印良品」に七福堂さんの商品を発見!!
工場直売所以外でも購入できますので是非是非お試しあれ!

七福堂あられ試食大会を社内で行いましたのでそちらの記事もお楽しみに!


七福堂製菓
instagram: @7arare